15,200人の富裕層が中国を離れ、これは世界で最も多い人数であり、膨大な資産を持ち去りました。その理由は何でしょうか？人気の目的地はどこでしょうか？

平等を実現する「共同富裕」政策が逆効果に

富裕層が次々と祖国を離れる理由は、習近平主席が推進している「共同富裕」政策にあります。

2021年以降、習近平は「共同富裕」を提唱してきました。この政策の目的は、富の再分配を通じて社会的不平等を減少させ、全体的な生活水準を向上させることです。主な目的は、高収入者や大企業に対して税金や寄付を課し、低収入者や地方の発展を支援することです。

しかし、富裕層にとって、この政策がもたらすリスクは単に税負担の増加にとどまりません。『ガーディアン』は、共同富裕政策の一環として、富裕層や大企業に対する規制と監視が強化されていることを指摘しています。例えば、アリババの創業者ジャック・マーは2020年に中国の規制機関を批判しましたが、その後、アリババは厳格な規制を受け、ジャック・マー自身も一時的に公の場から姿を消しました。

規制と監視が強化される中、富裕層は自分たちの資産や企業が政府のターゲットになることを懸念しています。そのため、多くの富裕層は資産を海外に移し、居住地を移転する選択をしています。

また、居住環境の改善も彼らの目的の一つです。『ニューヨーク・タイムズ』は、多くの親が特に子どもの教育や安全な生活環境を重視していると指摘しています。